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しっちゃかめっちゃか記

日々の呟き、妄想やラクガキをつらつら。

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鐘を鳴らして⑨ 過去編

ども、つくねです。

えー、一ヶ月ぶり・・・くらいかな。
お待たせ(?)しました。星喰みフレン、更新です。
とりあえず、一区切り。
この後は、ちょっと現在側に戻ろうかなぁ・・・と考えとります。
ユーリいつまでもあのままってのは・・・ね・・・。

さて、今回も相も変わらず過去編。
注意!!
・過去完全捏造
・ユーリが失語症
が、許せる方はどうぞ続きから。


以下、拍手返信。
11/28 2:08 星喰みフレン応援してます!の方
ありがとうございます!!
亀並み更新ですが、頑張っていきます!




―――――

また、失敗。
「っ!」
盛大に尻餅をついてしまった。
中々上手くいかないものだ。
じろり、とユーリは井戸の縁を睨む。
睨んだからといって高さが変わるわけでもないが、悔しいことに変わりはない。
あれから、何とか登ろうとしているのだが、片足が使えないというのは思った以上に厄介だった。
滑って落ちて、滑って落ちて・・・の繰り返し。
何の反復運動だ、これは。
愚痴っても始まらない。
もう一度、と石垣に手をかける。が、走った痛みに思わず手を引っ込めた。
手を見ると、すり傷が出来て血がにじんでいる。
なるべく足に負担をかけまいとして、手に力を入れていたのが仇になったようだ。
(傷・・・作っちまった)
フレンに怒られるなぁ・・・とため息。
もっとも、足をひねった時点で、それは確定しているのだが。

・・・怒られる?

ふと、自分の思考に疑問を抱く。
怒られるだなんて、ここを無事に出られたらの話だ。

―――もし・・・

考えましとしていた不安が、ジワリ・・・と紙に落としたインクのように広がっていく。

もし、ここから出ることができなかったら?

誰かに見つけてもらうしかない。しかし、どうやって?
ここは下町のはずれの古井戸。もう誰も使っていない。
何か用事があって来る、なんてことは皆無だろう。
ならば、自分がここにいるということを知らせなければならない。

「―――っ!!」

だが、自分の口は相変わらず物を食す以外の役割を果たしてはくれなかった。
(くそっ!)
ドンッと石壁を叩く。
その動作でさらに手に痛みが走るが、かまってられなかった。
ふいに、視界が薄暗くなり、何事かと見上げる。
雲が出てきて、太陽をおおってしまったらしい。
先程まで降り注いでいた日光が遮断されてしまった。
そのせいで、不安は減るどころか増すばかり。
雲で隠れただけでも、この暗さ。

夜に、なってしまったら?

(・・・あ・・・・・・っ!)
再び石壁のくぼみに手をかける。
暗いのは苦手だ。
最近は大分平気になっていたが、ココは駄目だ。
土の匂いと苔の湿った感触が、

両親が死んだときの記憶を 呼び覚ます。

(早く・・・早くここから出ないと!)
しかし、焦れば焦るだけ、手は宙をかく。
(嫌だ・・・いやだいやだいやだ!! 誰かっ!)
脳裏に浮かんだのは、初めて友達になってくれた金髪の少年。
半ば恐慌状態に陥りながら、手を伸ばす。
「・・・・・・レン・・・」

「ユーリ!!」

その手が、自分の名を呼ぶと同時に掴まれた。
金髪碧眼の少年は、まさしくユーリが今一番会いたかった人物で。

「フレン!!」



+ + +



「ユーリ、大丈夫?」
外へ這い出したユーリを待っていたのは、今しがた自分を助けてくれた友達の心配そうな問いだった。
「大丈夫だ、何ともない」
「そんなに手を傷だらけにしてて、何ともないわけないだろ! すぐに家に帰って・・・」
血だらけの手を掴んでフレンは一気にまくし立てたが、あることに気付き、声は尻すぼみになっていった。
「ユーリ・・・声が・・・」
「あ・・・喋れる・・・」
そういえば、さっき大声でフレンの名を呼んだような気がする。
「助けてくれてありがとな、フレン」
ユーリの礼に、フレンはしばらく目を見開いて固まっていたが、

ぐいっ

「うわ!!」
勢いよく引き寄せられたかと思うと、ぎゅっと音がしそうなほど力強く抱きしめられた。
「ちょっ! おい、どうしたんだよフレン?」
「・・・もう一回」
「へ?」
ユーリの肩口に顔を押し付けているため、フレンの表情は見えない。
「もう一回、名前を呼んで」
「・・・フレン?」
「もう一回」
「フレン」
「もう一回」
「フレン」
繰り返すたびに、ユーリを抱く腕の力が強くなった。

「嬉しいな・・・やっと、キミの声が聞けた」

その言葉に、ユーリは目を丸くすると、少し笑ってフレンを抱きしめ返す。

「ありがとな、フレン」


それは、出会ってから今までの全てを込めた、礼だった。




―――――
ここまで!
やっとユーリが喋ったよ。
ってか、一ヶ月放置してたから、ユーリ一ヶ月間井戸の中だよスマン。
この後は、最初にも言ったけど、現在編を進めていこうかな。
ユーリ放置ならこっちのほうが長いしww
まだまだフレンが何故星喰みに取り込まれたか書いてないけど、とりあえず一区切り。

あー、別のネタも浮かんできたorz
交互に更新していくかもしれん。
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女性
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つねにぐだぐだしてます。あとたまに消えます。自分の妄想をそのまま本や漫画にしてくれる機械が欲しい。

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